オンライン授業のこと(12)iPadの画面収録を活用するTips

オンライン講義のファイル作成もいろいろな手段を試してみているが、ファイル容量のことを置いておけば、けっこう工夫出来ることが分かってきた。とはいえ、動画で一番簡単なのは、何度も話に出てくるけど、パワポに音声をつけるというもので、録音してリハーサルで時間を確認してムービー化すれば一応出来上がる。

しかし一番簡単といっても、よく考えてみれば、普段は講義本番1回で済む話を、①自分で話す ②録音後に自分で確認する ③アップロードしてさらに確認する の3回の手間がかかるわけで、労力が3倍になっていることになる。これが徒労感の原因だろうなあ、やれやれ。

パワポ動画は便利なのだが、どうしても単調になりやすい。さらに、授業スタイルとして、研究書の原典などの細かい資料を見せながら話をしたいので、スライドショーではやりにくい感じもある。ここら辺が「オンライン授業工夫沼」のはじまりだとは分かってはいるが、後学のために、パワポ動画にiPadの画面収録を活用することにした。

iPadの設定画面から、コントロールセンターを選ぶと、コントロールの追加ができるので、そこで「画面収録」を選ぶと、右上隅から下向きにスワイプしたときに、写真で赤く囲ってあるようなボタンが出現するようになる(iPhoneだと下からスワイプだと思う)。これを押すことで3秒のカウントダウンの後に画面の動きを録画してくれる。録画は写真アプリから見ることが出来る。これは3月末にアップルが公開したサポート情報で確認できる。

https://support.apple.com/ja-jp/HT207935

で、これを利用して、普段は自分の論文の修正や、学生のレポートの添削に使っているGoodNotesというソフト上で、文献を示しながら、強調点やメモを書き込むなどの作業を見せることにした。原典をスキャンして、それをGoodNotesに読み込ませて、その上にApple Pencilで線を引いたりメモを書いて行く感じである。下の動画はその一部を切り出したもの。

https://www.dropbox.com/s/wtvxu54eg0gen5t/ipadmovietest.mov?dl=0

問題はそのままだと音声が録音できないことである。それには実は隠しコマンドがあって、上の録画開始ボタンを長押しすると、録音のオンオフを決めるボタンが現れる。さらに録画後に開くソフトウェアも選べる。ただし経験的には、ここでiPadの内蔵マイクをそのまま使うのは、あまり音が良くないので、出来たらマイクは外付けが良いと思う。僕はソニーのECM-SP10という4芯マイク(つまりマイク端子のないiPadで使えるマイク)を用いている。

文献研究をする授業では、こういう手もあるんじゃないかなと思う。マジで結構使えますのでお試しを。

オンライン授業のこと(11)ミラーサイトの作成

履修登録が進み、学生たちも登録した科目についてはLMSで講義のファイル等が見られるようになったので、僕の科目のファイルを見た学生から、講義ファイルの作り込みに関する感想のコメントと、各回の確認テストに関する質問が届いた。質問は受講生で共有できるように掲示板を用いている。書きやすいようにテストケースの質問をこちらで書いておいたものの、よくコメントや質問を書いてくれたと思う。これで他の人の書きやすくなったのではないかな。もしかしたら、教室で手を挙げて質問するよりはハードルが低いのかもしれない。

掲示板で質問が届いたのは、メインラインの講義ファイルとは別に、質問は掲示板に書いて欲しいと指示していて、さらに余談(?)はLMS上で作成可能なブログに載せるようにしているなど、講義の一直線の様態の他にも出来るだけ複数のラインと相互作用の機会をつくった結果である。これは学習機会の保証だけでなく、ここがどういう場であると伝えることにつながり、それを通じて彼らが感じている不安を払拭する働きを持つと思ったからだ。

大学はカルチャーセンターではないので、講義内容自体も大事であるものの、それ以上に講義が載っている容れ物が何であるかを理解させるようにしなくてはならないと思っている。こういうときだからなおさらだ。言葉にしにくいものではあるけれども、でもそれが感じられれば学生たちも落ち着いていられると思う。もちろん経済的で具体的な補助なども同時に大事だから、うちの大学でも是非それを実現して欲しいと思っている。

ところで、以前すでに僕の講義を履修したという学生から、今期もモグリで受講するつもりだったのでオンラインになってしまって残念ですというメールが届いた。重複履修は認められておらず、登録が出来ないために授業ファイルが見られないのである。なるほど、そんな需要もあるのか。こういうときでないと気づかないかもしれない。そのメールに刺激されたせいではないのだが、LMSが重くなるという事態も問題なので、ミラーサイトを作って講義ファイルを展開することにした。

とはいえ、そのままオープンな形に置いておくわけにもいかないから、コピーして移植するだけでなく、ブログサイトにパスワードをかけて、そのパスワードはLMS上のみで示すという対応をすることにした。面倒が増えるけれどもしょうがない。幸いというか、LMSでの授業ファイルの公開予定に合わせて、ブログサイトでも予約投稿という機能を使って、同期させて見られるように設定した。ブログサイトの統計情報を見ると、22日時点で登録数が180人で40名が利用、23日の履修登録締切時点で登録298人に対して80人が利用している。結構な割合の学生がミラーサイトを使用していることが分かる。このままであれば25%程度はミラーサイトを利用する可能性があると考えられるので、それに応じた対応をする必要があるだろう。

でも、登録者数が298人というのは想定より多いなあ。分布を見ると、2年生と3年生が100人ずつで、1年生と4年生が約50人ずつという感じのようだ。こういう事態のために試験を止めて課題レポートにしたからだろうか。課題レポートを298人分読むとか、あんまり考えたくないが近い未来の現実である。

オンライン授業のこと(10)障がいを持つ学生への配慮

前回も書いたけれども、うちの大学では学部によってオンライン授業をすでに開始しているようで、さらに他の大学でも始まっているので、それらを参考にしつつ、自分の授業をどうするかを考えている。その過程で気づいたのだが、全学的に統一の方策がまだ十分にはとられていない事柄の一つが、障がいを持つ学生への対応かもしれない(あるいは、もしかしたらアナウンスがないだけかもしれないけれども)。

いつもであれば、たとえば聴覚障害の学生のためには、ボランティアのノートテイカーがノートをとるなどして対応していると聞いているが、オンラインとなると、同じ授業にノートテイカーが参加するのと違い、履修登録した本人しか教材を見られないことになる。そこで、果たして、教材をDLしてノートテイカーのところに送る仕組みになっているのだろうか。というか、そもそも受講生にそういうニーズのある学生が来た場合にどう対応したら良いのだろうかと思っていた。

そんなとき、ちょうど熊大のT先生がGoogle Documentの音声入力が優秀という話を教えてくれた。「これだ!」と聞いてすぐに録音ファイルで試してみた。

実はその前にWordで音声入力を試してみたのだが、いや、もう、全然ダメ。まだ使い物にならない。Wordでやる場合には、Mac OSの音声入力エンジンを使うようで(Appleに送って解析して戻すという感じ?)、どう考えてもサンプルが足りてない感じがする。

ところがGoogle Documentはわりといけるのだ。句読点が打てずに文字通りのベタ打ちなのだが、それでもクリアな音源を使うと悪くない、というか思ったよりもずっといい。マイクの付いていないMac miniでどうしたらよいのかが分からず(たぶん内部録音のソフトを使えばいいんだろうけど)、いつも音楽を鳴らしているアンプを介してスピーカーに出力し、ZOOM F1の優秀なマイクで拾うことにしたのだが、それでもわりといけるのだ。もちろん編集は絶対に必要だけれども。

ちなみにMacでGoogle Documentの音声入力をするためには、Chromeをインストールしないとならないようだ。Safari上のGoogle Documentには音声入力のメニューが見当たらない。

ということで、高音質で録音してあった授業ファイルから、ラフな書き起こしを一応準備しておいた。もし受講生に必要があれば(そういうニーズがあるときはいつも事務から連絡がある)、ファイルを設置しておこう。

オンライン授業のこと(9)動画とスライドショー、続き

今日は4年のプレゼミというか、第2回安否確認会議をZOOMで開催。

出席者は19名。皆で飲み物を持って参加するレギュレーション。web面接や用事がある人などはノンアルも可。まだ授業開始まで時間があるけれども、ゼミの回数が足りないので、あらかじめ発表の順番を決めたり、オンラインでのやり方を打ち合わせしたりした。発表のレジュメや資料を共有する方法などは、やはりSlackなどの共有スペースがあると便利。オフラインの連絡もそちらで。オンラインを活かすのにはオフラインが重要だ。あとは始まってからいろいろ考えよう。

で、うちの大学では、今日からオンライン授業用に改訂したシラバスを学生が確認可能となり、同時に履修登録が可能となって、さらに学部によってはオンライン授業を始めたところもあるらしく、アクセスが殺到したLMSは、落ちはしなかったものの過負荷でかなり重くなっていた様子(いや、その後知ったのだけど、実際は落ちたらしい)。となると、LMS上で準備していた授業用の指示を、そのままそこで読ませながら学習させるのは難しいかもしれない。どうしたらいいか。少なくとも全体的にこれまで想定していた以上の軽量化と、ミラーサイトが必要かも。

昨日作った33分のパワポムービーがどうして重いかを考えたら、やはり参考文献をA4サイズでスキャンしたものをそのまま画像で載せているからだろう。画質を落とすと字が潰れて読めなくなってしまうのであまり小さく出来ないし、音質もあまり悪くすると聞きにくい。いろいろ工夫したが、33分でせいぜい119MBまでしか落とせないことが分かった。High Quality版とLow Quality版の両方を置くしかないだろう。

パワポは、A4用紙1枚あたりスライド2枚表示する形式で軽量化したPDFが1.3MB。これは問題ない。

音声の方もサンプリングレートや圧縮形式をいろいろいじって試してみた(とはいえ、実際は仕組みがよく分かっていない)。結局16bitで11Khzに変更したmp3で圧縮レートを32kbpsまで落としたのが8MB、同じくmp3で16kbpsまで落としたのが4MB。最初の録音状態がいいので、前者はストレスなく聴けるけれども、後者は高音部が垂れた感じで音が悪いなあという印象を受ける。が、聴けないことはない。8bitはとても無理だったので、この辺が限界だろう。前者を標準音質版、後者を低音質版として置くことにする。これらはVLC Media Playerでも変換可能。ただしあまり変換エンジンが良くないかもしれないので、無料で使えるオープンソースのAudacityがいいと思う。自分も以前はAudacityを使っていた。VLCよりはやはりAdobe Auditionの方が音が良い(たぶん)。音の圧縮形式については、この辺が参考になる。

さて、LMSのミラーをどうするか。いままではLMSの上に直接指示を書き込んで、外部サイトに置いた動画、PDF、音源にアクセスするようにしていたのだが、全学の学生数を考えたら、LMSの上で何かを読ませたりするのは、時間帯(2限3限4限)によっては無理かもしれない。外部サイトにwordなどで作った授業ファイルを置いて、その上にさらに外部サイトに置いた教材までリンクを張っておくしかないかな。

オンライン授業のこと(8)動画とスライドショー

週末は、メイン・モニターの調子が悪く(おそらくMac miniと相性が悪いのだろう)、新しいモニターを急遽導入すると同時に、配線を入れ替えるついでに机まわりの配置を換えたり、まだ使える古いMacBookProをバッテリーの修理に出すためにバックアップして初期化したり(土曜日の夜に集荷されていった)、1月から溜まっていた新聞をどうにかしてと言われてしょうがないので切り抜きをしたりと、全然休めなかった。この、ずっとモニターの前にいる生活から逃れ、外でのんびり日向ぼっこしようと思っていたのに。

まあしかし、新聞を読みながら片付けていると、コロナ問題について、一月初旬にはそんなに大したことにはならないだろうという解説の入った記事があったりしたものの、それがだんだんとやばい状態になっていく経緯が如実に把握できた。すべて後の祭りだが。問題は、政策である限り後で全てを検証しないとならないはずなのだが、当初から検査数を抑えているせいで、それも十分に出来ないことは確実だろう。再び同じ事態が生じても同じことを繰り返しそうな気がする。水際作戦とか、一体いつの時代の発想だよ。

さて週明け、オンライン授業の準備として、新しい授業ファイルに録音を載せてムービー化してみて驚いた。約30分で500MBになってしまった。さすがにこの大きさはないわ。パワポスライドの枚数はオープニングとクロージングを入れて14枚。1回分の講義の前半だけである。社会学トリビアのようなものを混ぜながら話すと時間が延びてしまい、とはいえ、回が進むと何でそういう話をしたのかが分かる伏線にもなっているので削るわけにも行かず、いつも通りやる難しさを実感する。対面であればたいした時間ではない。しかもこれで講義の半分である。そもそも30分の動画なんて、絶対見なさそうではある。でもここまで話さないと後半に行けないしなあ。

さて、どうするか。ということで、そのままのムービーでは明らかに無理なので、スライドを画像であるjpegで書きだして、それでスライドショーにすることにした。それだったら少しは軽くなるだろう。そうなって欲しい。

まず、パワポのムービーから音声だけ書き出したものがm4aだったので、これをサンプリングレートを下げてmp3ファイルに変換し、軽くした。今回はAdobe Auditionを使った。というのも、スライドショーを作るのに、使用経験のあるAdobe Premiere Proを使おうと思い、であれば音声の編集が必要になった時にAuditionと連携して作業できると思ったから。実際、後になってその必要があった。

Premiereに読み込んだmp3を再生しながら、該当するスライドのjpegを貼りつけて必要な分を画面上で引き延ばし、mp3上に見つけた録音ミスを削って全体を整えた。Premiereは結構直観的に作業できるので非常に助かる。あとは書き出しなのだが、H.264というMP4の標準的な圧縮形式で、どういうメディア(たとえばYouTube)で使うかというプロファイルを選んで書きだした。最初はYouTubeの720pで書き出したものの、まだ300MBという大きさ。再生してみると、引用文献の文字は十分に読める。しかしファイルサイズが大きい。しょうがないので480pで書きだしてみた。引用文献はギリギリ読めるかどうか。これが限界だろう。ファイルは140MBだった。WiFiならまだいいけれども、4Gでは無理。そこで、前回と同じく、スライドをPDFで書き出したものとmp3音声をセットにして置いておくことにした。熊大のT先生が動画の画質を下げた検証結果をfacebookのグループに投稿していたはずだが、見つけ出せなかった。また教えてもらおう。

しかしこれ、動画編集とかしたことなかったら、結構大変だろうと思う。個人的には面白いけれども。しかもAuditonとかPremiereとか入ったAdobe Creative Couldなんてソフトは普通は持っていないはず。うちの大学ではサイトライセンスがあり、わざわざ大学まで車で行ってそれを借りてきたのだが、実はインストールするときになってMac OS Catalinaには対応していないことが判明(泣いた)。しょうがないのでアカデミック版をオンラインで買ったのだった。若手の非常勤の先生とか、無理ゲーに近いだろう。

しかもこれ、90分やるとか、どんだけのデータ量になるのかと思う。もちろん大学のLMSには置かず(置くことは禁止されている)、外部サーバーでしかも有償でダウンロード制限がない(はずの)ところに置くので大丈夫だろうけれども(さらに個人的には二つのクラウドを準備したわ)、何人かがうっかり大学のLMSに置いたら、とんでもないことになるだろうなと思ってしまう。明らかに無理ゲーっぽい。文句たれてもしょうがないけど。

やはりリアルタイム配信が一番手間がかからずいいのではないかと思うが、講義の登録者数次第だろう。今週末には登録者数が分かるはず。というか、講義はリアルタイムは禁止されているのだったかな。

オンライン授業のこと(7)ZOOMでのゼミ(共有ミラーリング)

火曜日は4年ゼミ、昨日は会議でリアルタイムのオンラインシステムを使ってみたので、今日は3年ゼミでも同様にオンラインの試験運用というか、ゼミ生たちの安否確認を行った。まだ授業開始には間があるけれども、少しずつオンライン化を進めつつある感じ。

今回は4年ゼミであまり評判の良くなかったMicrosoft Teamsではなく、ZOOMを用いて自分がホストとなって会議室を開設、招待のURLアドレスを3年ゼミで使っているSlackというソフトのgeneralという全員が見られる掲示板に貼りつけると、皆、順次入ってきてくれた。日頃からSlackを使ってゼミ運営をしているので、その点では連絡が楽である。つい先日、同じgeneralに「木曜日に安否確認するよ」と書いておいたので、きちんと見てくれていたようだ。facebookのメッセージと違って既読通知がつかないのが残念だが、それでもゼミ運営には非常に強力なツールだと思う。

今日は天気が良かったので、屋外に出てZOOMをした。屋外なので、MacBook 12inchを持ち出し、しかし内蔵マイクだと屋外の余計な音を拾ってしまうので、昨日同様にZOOM U-22にXM8500 を接続して、USB-Cのアダプタを介してMacBookに接続。電源も一応準備しておいたのだが、バスパワーでいけた。皆に聞いてみたら、余計な音は拾わないで、僕の声だけだったらしい。上手くいった。

ZOOMの最中はスマホのバッテリーが切れて急に落ちた学生もいたけど(すぐに復帰)、接続は全員大丈夫だった。パケットも大丈夫そう。3年生たちは、オンラインはオンラインで新しい体験として何となく楽しそうだった。安否確認という点では、3年生は下宿生が少ないけれども、それでも数人はいるので、彼らのことを少し気にかけておく必要があるだろう。

ZOOMはやはり便利だと思う。とくにiPadを共有のミラーリングで使って、資料を見せるだけでなく、資料をEBooklet2というアプリで表示させて、その上にApple Pencilで赤字を入れながら説明できるのは大きい。このアプリはホントに便利で、今の大学に来てからはずっと使っている。

板書をするのはアナログのホワイトボードを使う方がいいように思う。というのは、画面の切り替えがいらなくて済むから。そもそもスクリーンだけでやるという変化のなさが良くないような気もしている。でも図書館が閉まっている現状では、資料はPDFで配るしかないわけで、それを手元に準備させておいて、ミラーリングで参照させられるのはとても助かる。ゼミが終わってから、夜にもう一回やってみたら、きちんと出来た(写真)。講義もこういう風にやって録画しておけばいいのだろうけれども、通信量が増えるよなあ。資料がある場合には、そもそもスクリーンだけでやるのは無理がある。スマホしかもたない学生には、画面の資料投影のみでは文字が小さすぎるから(たぶん老眼のせいじゃないと思う)。ここら辺は次回のプレゼミで確認してみよう。

今日はゼミのあとに授業の資料をとりに大学に行ってきた。感染予防のために珍しく車を運転して。随分久しぶりのような気がする。誰もいない中芝で、植木屋さんだけが静かに作業していた。

 

オンライン授業のこと(6)TeamsとZOOM

授業開始はまだ先なのだけれども、ゼミ生達の安否確認のために大学が推奨するMicrosoft Teamsを使ってプレゼミ会合を行った。就活のWeb面接などが重なった学生らを除いて15名が参加した。皆、ゼミが好きらしくて(自分たちだけでしょっちゅう飲み会をやっていた)、また下宿生が多くて孤立しているようで、結構楽しみにしていた様子。

で、Teamsなのだが、正直、学生たちにあんまり評判が良くない。「ZOOMに比べると何だか音が悪い」という学生もいて、音を大事に考えたいゼミとしては残念。場合によっては、インタビュー音声の分析をオンラインでやることになるので、それはちょっと致命的な問題だ。

とはいえ、音については通信環境に依存する可能性も十分あるので一概に言えないが、何よりも、参加者全員の顔が一望できなことが不評の大きな原因であった。

「久しぶりに皆の顔が見えるのを楽しみにしていたのに、4人しか映らないのは残念」という意見があり、実際、発言者を代表として4名しか映らない。もちろん、それが発言とともに入れ替わるのだが、これはちょっとなあというのが率直な印象だった。

一方、今日は昼前から6時間近く、オンラインでいくつか会議があり、クタクタになったのだが、こちらはZOOMだった。ファイル共有で書類を見せたり、チャットを併用したり、いろいろ細かいところに手が届く仕様で使い勝手は悪くなかった。実は最初、接続してすぐにデュアルディスプレイのメインディスプレイ(10年選手)が落ちるトラブルがあり、いろいろい工夫しても上手くいかなかったので、すぐにMacBookに換えたのだが(そしてMacBookならいっそのことと思って、それからは良い天気の屋外で使っていた)、最後の会議ではZOOMの画面をサブに移動させて使ったら何とかなった。応答速度の問題だろうか。古いディスプレイの場合は気をつけた方がいいかもしれない。結局、うちの学部では無料期間が終わる5月以降はプロIDを取得して授業で時間制限なく使っていくことを、校費で支援することが決まった。

で、このZOOMの機材だが、前回の設定の通り、カメラをHX-A1H、マイクをU-22経由のXM8500で行った。HX-A1Hは超広角なのでちょっと面白い感じの画だが、先ほど三脚用アタッチメントも届き(Amazonで見つけた)、他の機材に使っていない三脚につなげて結果的に何とかなることが分かった。しばらくはこんな感じで運用していくことになるだろう。

ちなみに、MacBook 12inch (2016)だと、処理が追いつかないので背景を任意のものに替えられない。普通に使っていてもしょっちゅうCPU速度低下(というか温度上昇)の警告が出ていたので、やはり結構負荷がかかるのだと思う。古いディスプレイも追いついていけないようだし。その辺はしょうがないとは思うけど、その点では学生たちの環境に配慮した方がいいかもしれない。

オンライン授業のこと(5)WebカムとオーディオIF

いろんな大学でオンライン講義作成のマニュアルなどが急激に出来上がってきて、そのスピードに驚かされるけれども、facebookで回ってきた大阪府大高等教育開発センターチャンネル(YouTube)は比較的素朴で参考になるかもしれない。普段パワポなどを使っていない人にはちょっと難しいかもしれないけど、シンプルな感じが良い。

あと面白かったのは、ノートというか紙に書くのを録画するという極めてシンプルなもの。ベクトル解析とか全然分からないし、ビデオ1本がかなり28分と長いけど(しかもそれが3本もある)、専門性の高い内容であれば、こういうのもアリかなと思わせる面白さがある。自分ではしないけど。でも、もしかしたらデータ分析中のところを録ってみるのも面白いかもしれない。

で、いろいろ考えたのだが、対面授業の良い講義とオンライン授業の良い講義はおそらく別物だ。しかしオンライン授業の良い講義の基準が経験的に分からない以上、これまでの手持ちの資源でやるしかないわけで、むしろ対面での自分らしさが残る局面に力を入れる方が良さそうだ。となると、編集してよく見せていた映像と音声かな。あとは内容的にも技術的にも楽しみながら制作するとか。授業を有意味にするという観点からすると決定的なのは、何かを聞かせたり見せたりした後に、学生がそれらにどう応答するか、そして教員がその応答にどう応えるか、という部分だと考えられる。教材の内容やフォーマットはそのような相互作用的な文脈におかれて特定の意味をもつことになるわけで、言い換えれば、オンライン授業体験というストーリーの要素となるわけだ。ポイントは文脈化の方なので、要素は自分らしくやった方がいい。

いろいろ読んだり考えたりしたけど、社会学者としては、ようやくそういうことが分かったので、やはり好きなようにやることにした。というか、それしかできないし。

そこで講義内容のアップデートに力を入れることにして制作もしていたのだが、その前に明日の教授会がZOOMで開かれるということで、WebカメラのないMac miniでどう対処しようかを考えた。Webカメラは軒並み在庫払底だし。そこで家にある機材をあさっていたら、古いウェアラブルカメラを見つけた。以前の英国での研究時に持っていったPanasonic HX-A1H。これってとっくに廃盤だけど確かWebカメラに出来たんじゃなかったかなと思って調べるとやはり。とはいえ三脚用のアダプタがないので、本を留めるクリップに挟んで撮影可能に。しかし見かけがしょぼいなあ。

それからMac miniにはマイクもない。ZOOM F1を使うかなと思っていたら娘が使わない(安い)ダイナミック・マイクをくれた。ベリンガーのXM8500という(安い)マイク。せっかくなのでこれを使うことにして、それじゃあということで、オーディオ・インターフェースを買うことに。ベリンガーのマイクセットを買った方が断然安かったと後で気づいたが、iPadやスマホで高音質の録音もしようと思ってUSBバスパワー以外(電池)でも使えるのを探してZOOM U-22にした。

これら二つをMac miniにつないでみた。マイク用の三脚のエクステンションも欲しいが、これで何とか明日のオンライン教授会を乗り切れるはずだ。音は悪くないので、これで教材も録ってみよう。ノートPCのWebカメラとマイクよりはいいんじゃないかな。

オンライン授業のこと(4)短い動画への平坦な道②

大学関係のオンライン業務をめぐっては日々さまざまな変化が生じているようで、うちでも教授会などの会議がZoomで行われることになった。今まさにMacBookProをMac mini 2020にリプレースしている最中なので内蔵カメラがなくなってしまって困るのだが、近日中に何とかしよう。手持ちの機材でWebCameraを構築してみるのは面白そうだ。

さて、今回も前回に引き続き、オンライン授業用の短動画作成の方法の話。前回はスマホのとくにOpen Cameraというソフトを推奨するというニッチな話だったけれども、今回はPCでそのまま撮影する場合の話。話の中心はソフトの使い方。

MacBookなどMacのマシンであれば、QuickTimeで撮影が可能だ。QuickTimeを立ち上げて、メニューの「ファイル」から「新規ムービー収録」を選べば、デフォルトで搭載されたカメラで顔が映し出されると思う。表示画面中央下の録画ボダン横をクリックすれば、カメラとマイクの設定が出てくるので、外付けのカメラやマイクを使う場合にはそこで選ぶことになる。

ただ、QuickTimeは保存されるファイルがmovというMac規格の動画なので、学生が環境的に再生可能なのかどうかということと、movは画質がいいけど重いので、それが心配。そこで学生の利便を考えて、変換して軽くしておくことが必要だと思う。

方法としては、movファイルをVLCメディアプレイヤーで変換してMP4あたりに換えておくこと。メディアプレイヤーを起動して「ファイル」「変換/ストリーミング」と進み、動画を開いて「H.264+mp3」に変換するだけ。おそらくファイルの大きさが3分の一から4分の一程度になる。ただ、場合によっては音が出なくなってしまうので、変換するときに変換ボタン横の「カスタマイズ」を開いて「オーディオ」のタブで「オリジナルのオーディオトラックを保持」とすると、音も聞こえるようになった。

個人的にはこの画質はちょっとどうかと思うので、外付けカメラと外付けマイクが必要だけれども、とりあえず何とか短動画は作れると思う。

ホントはここで止めておきたいのだけれども、WINDOWSしか使っていない院生のために、非力なWINDOWS PCで短動画を作成する方法を確認してみよう。そこで、ほとんど廃棄直前の我が家唯一のWINDOWS PC、ASUSのX205Tという死ぬほど鈍いモバイルノートを出してきて使えるように調整した。現在であれば中古で1万円程度の代物。

WINDWOSのことはよく分からないので、上と同じくVLCメディアプレイヤーを使えば良いかなと思って作業した。QuickTimeを入れておけばMacと同じように作業できるし、おそらくZoomでも出来るだろう。その方が簡単だと思う。でもとりあえずこちらで。そもそもX205TにはZoomは過負荷だと思うし。

今回もVLCメディアプレイヤーを立ち上げて、メニューの「メディア」「ストリーム」を開き「キャプチャーディバイス」のタブから「ビデオデバイス」「オーディオデバイス」それぞれにPCに搭載されている(あるいは自分でつないだ)カメラとマイクを指定、その後一番下の「ストリーム再生」を押すと次ページに「入力元」と出るから、そこではそのまま「次へ」を押す。

次は「出力先の設定」だが、このとき「ローカルで再生する」というところをチェックしておくこと。そうでないと録画ファイルが出来ない。チェックしたらまた「次へ」を押す。「トランスコーディング」も選択せずに「次へ」、「オプション設定」もせずに「ストリーム」を押すと、ようやく自分が映るはず。で、この映っているものを録画するときは、自分が映っている枠の「再生」メニューの中に「レコーディング」があるので、それを押す。押すと録画開始。停止を押すまで録画がされる。これで録画ファイルが作成される。

ただ、録画ファイルは「マイビデオ」の中にあると思うのだけれども、WINDOWS規格のaviファイルなので、重いし、そのままだと見られない学生がいるかもしれない。そこでやはりメディアプレイヤーで変換を行う。「メディア」「変換/保存」を開くと「ファイル」のタブで録画ファイルを選択して「変換/保存」ボタンを押す。次の変換の場面で適したプロファイル、たとえば「Video for Android SD」などを選んで、「参照」から出力ファイル名を付けて「開始」をすれば、変換の進行状況が表示されて、変換されたMP4ファイルが保存される。これで短動画は完成する。

やれやれ。WINDOWSには慣れないので結構苦労した。機材の話が出来なかったし。次回は他の動画作成方法、とくに機材について考えてみたい。

オンライン授業のこと(3)短い動画への平坦な道①

オンライン授業に関して、このところいろいろ動きがあるので、少し前口上を。

名古屋大学教養教育院が教員のためのガイドを公開したので、まずはそれが参考になる。とくに学生の学習効果を一つのメルクマールに分類しているので、授業方法を選ぶ際の指針ともなる。また同サイトでは、Zoomなどを使ったリアルタイム講義と、このブログが主として言及しているオンデマンド講義、それぞれの特徴、メリットやデメリットも挙げているので、それも見ておく必要もあるだろう。オンライン授業のための具体的なリソースリストも個人的努力で構築され共有されている。facebookの「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきか」ページは参加者が多くなりすぎた一方で過去ログが埋もれているせいか、多少カオティックになっている。もちろん有用な情報も流れているのだけれども、取り出しにくくなっている。

そして何より、オンライン授業になってしわ寄せが来ているのが、そもそもから不利な条件におかれた学生たちであることが明らかになりつつある。従来、一つの教室という同じ環境・同じ条件に集められた学生たちであれば埋もれていた差異が、公的リソースの喪失という事態で浮き彫りになっている。授業料の免除や軽減の問題などは大学規模や国家規模で対処すべき問題なので、それぞれの教員に出来ることはそんなに多くないと思うけれども、緊急奨学金の給付などが出来ないかを各所で検討してみよう。この問題への日々の接近の仕方として、教材作成時には、少なくとも家中に十分な速さの有線LANが張られていてPCやプリンターやスキャナが揃っている学生と、PCもなく格安スマホをギリギリで契約している学生とが、同じ授業を受けている可能性を考えよう。しかも図書館やPC室などの公的リソースも使えないなんて、なんとも条件の悪いRPGのようだけれども、オンライン授業での緊急措置で著作権の補償が今年度に限って無料になったので、それを十分に活用しよう。

ということで、パケット代のことを考えたら歯がゆい局面だけれども、今回も文系研究者のための具体的な機材や教材作成方法をここでは示していく。それもまた必要だと思うから。とはいえ、今回も細かいソフトの話はしない。Audacityとか無料の良い音声編集ソフトがあるのだけれども、そういうのは別のところで読めると思う。必要が出てきたら書くけど。

さて前回は、マイクのないPCでパワーポイント動画を作るためのICレコーダー活用方法という、何ともニッチな話を書いた。今回も同様にニッチに、オンライン授業にバリエーションをもたす方法として、ごく短い動画(以下、短動画)を入れる機材の話をしたい。そもそも長い時間の動画など見てもらえないし、重くて見ていられないので、肝心な部分だけ動画にするという手もあると思う。あくまで音声中心の授業の付録みたいに。

なぜ短動画がいるのか。そもそも教員の顔を全く知らないでその人の授業を受けるのはどうなんだろうか?というのが、僕の個人的な感触である。これからは当たり前になるかもしれないけれども、今はまだ違和感があるだろうし、モチベーションもあがらないだろうと思うので、そのような状況に対処するために、顔出しした短動画を見せるというのはアリだと思っている。1分くらいで十分じゃないかな。

さて、短動画作成のための最も身近な機材は、やはりスマホである。インカメラを使って撮るというのが基本だろう。全てオートで撮れるので原則的には何の心配もいらない。が、撮ろうとすると気づくと思うが、手で持って撮るわけには行かない。本の表紙や資料を持って見せたりすることもあるので、せめて三脚とスマホのホルダーは準備したい。三脚は小さいの一つ持っていると何かと便利だ。

で、そういうときに一番確かなのは、マンフロットのスマホホルダー付きの小さな三脚だろう。これはその筋では結構有名なもので、デザインも良いので人気だが、他のメーカーにももっと安い同様のものはある。いわゆるテーブルトップ三脚というジャンルである。ただ、この製品への個人的不満としては、スマホを横にした形でしかホールド出来ないこと。縦置きが使えると作業に幅が出て非常に便利なので、僕はマンフロットの三脚に、雲台だけエツミのモビヘッドを載せて使っている。ホルダーが縦横自由に動くので便利だ。このホルダーは、そもそもはデジタルカメラの上にスマホを装着するためのものだが、このように流用できる。

結果的に、左の写真のような感じで撮ることになるんじゃないかな。

ただ、最近のスマホを使っている人はそうでもないと思うけど、僕のスマホは少し古くて性能もそれほど良くない。とくに音質が気になる。音質改善のためにはやはりマイク、とくにラベリアマイク(ピンマイク)が必要なのだが、4芯のマイクは種類が少なく、しかも品薄。なので、アダプタをつけて手持ちのマイクにつなぐという手もある。

マイク端子(4芯)で音を録る時には、撮影するカメラアプリを携帯デフォルトのものから、Open Cameraに換えるのを忘れないようにしよう。デフォルトのカメラアプリでは外部マイクが設定できないことが多かった(今はそうでもないのかな)。Open Cameraは代替アプリとして優秀。上の写真では、実は昔iPodで使っていた4芯のミニマイクをつけて試してみた。が、音質は全然ダメだった

スマホで短動画を撮る方法は便利で楽なのでおすすめなのだが、個人的には、今の古いスマホを買い換えてからにしようと思っている。