オンライン授業のこと(3)短い動画への平坦な道①

オンライン授業に関して、このところいろいろ動きがあるので、少し前口上を。

名古屋大学教養教育院が教員のためのガイドを公開したので、まずはそれが参考になる。とくに学生の学習効果を一つのメルクマールに分類しているので、授業方法を選ぶ際の指針ともなる。また同サイトでは、Zoomなどを使ったリアルタイム講義と、このブログが主として言及しているオンデマンド講義、それぞれの特徴、メリットやデメリットも挙げているので、それも見ておく必要もあるだろう。オンライン授業のための具体的なリソースリストも個人的努力で構築され共有されている。facebookの「新型コロナ休講で、大学教員は何をすべきか」ページは参加者が多くなりすぎた一方で過去ログが埋もれているせいか、多少カオティックになっている。もちろん有用な情報も流れているのだけれども、取り出しにくくなっている。

そして何より、オンライン授業になってしわ寄せが来ているのが、そもそもから不利な条件におかれた学生たちであることが明らかになりつつある。従来、一つの教室という同じ環境・同じ条件に集められた学生たちであれば埋もれていた差異が、公的リソースの喪失という事態で浮き彫りになっている。授業料の免除や軽減の問題などは大学規模や国家規模で対処すべき問題なので、それぞれの教員に出来ることはそんなに多くないと思うけれども、緊急奨学金の給付などが出来ないかを各所で検討してみよう。この問題への日々の接近の仕方として、教材作成時には、少なくとも家中に十分な速さの有線LANが張られていてPCやプリンターやスキャナが揃っている学生と、PCもなく格安スマホをギリギリで契約している学生とが、同じ授業を受けている可能性を考えよう。しかも図書館やPC室などの公的リソースも使えないなんて、なんとも条件の悪いRPGのようだけれども、オンライン授業での緊急措置で著作権の補償が今年度に限って無料になったので、それを十分に活用しよう。

ということで、パケット代のことを考えたら歯がゆい局面だけれども、今回も文系研究者のための具体的な機材や教材作成方法をここでは示していく。それもまた必要だと思うから。とはいえ、今回も細かいソフトの話はしない。Audacityとか無料の良い音声編集ソフトがあるのだけれども、そういうのは別のところで読めると思う。必要が出てきたら書くけど。

さて前回は、マイクのないPCでパワーポイント動画を作るためのICレコーダー活用方法という、何ともニッチな話を書いた。今回も同様にニッチに、オンライン授業にバリエーションをもたす方法として、ごく短い動画(以下、短動画)を入れる機材の話をしたい。そもそも長い時間の動画など見てもらえないし、重くて見ていられないので、肝心な部分だけ動画にするという手もあると思う。あくまで音声中心の授業の付録みたいに。

なぜ短動画がいるのか。そもそも教員の顔を全く知らないでその人の授業を受けるのはどうなんだろうか?というのが、僕の個人的な感触である。これからは当たり前になるかもしれないけれども、今はまだ違和感があるだろうし、モチベーションもあがらないだろうと思うので、そのような状況に対処するために、顔出しした短動画を見せるというのはアリだと思っている。1分くらいで十分じゃないかな。

さて、短動画作成のための最も身近な機材は、やはりスマホである。インカメラを使って撮るというのが基本だろう。全てオートで撮れるので原則的には何の心配もいらない。が、撮ろうとすると気づくと思うが、手で持って撮るわけには行かない。本の表紙や資料を持って見せたりすることもあるので、せめて三脚とスマホのホルダーは準備したい。三脚は小さいの一つ持っていると何かと便利だ。

で、そういうときに一番確かなのは、マンフロットのスマホホルダー付きの小さな三脚だろう。これはその筋では結構有名なもので、デザインも良いので人気だが、他のメーカーにももっと安い同様のものはある。いわゆるテーブルトップ三脚というジャンルである。ただ、この製品への個人的不満としては、スマホを横にした形でしかホールド出来ないこと。縦置きが使えると作業に幅が出て非常に便利なので、僕はマンフロットの三脚に、雲台だけエツミのモビヘッドを載せて使っている。ホルダーが縦横自由に動くので便利だ。このホルダーは、そもそもはデジタルカメラの上にスマホを装着するためのものだが、このように流用できる。

結果的に、左の写真のような感じで撮ることになるんじゃないかな。

ただ、最近のスマホを使っている人はそうでもないと思うけど、僕のスマホは少し古くて性能もそれほど良くない。とくに音質が気になる。音質改善のためにはやはりマイク、とくにラベリアマイク(ピンマイク)が必要なのだが、4芯のマイクは種類が少なく、しかも品薄。なので、アダプタをつけて手持ちのマイクにつなぐという手もある。

マイク端子(4芯)で音を録る時には、撮影するカメラアプリを携帯デフォルトのものから、Open Cameraに換えるのを忘れないようにしよう。デフォルトのカメラアプリでは外部マイクが設定できないことが多かった(今はそうでもないのかな)。Open Cameraは代替アプリとして優秀。上の写真では、実は昔iPodで使っていた4芯のミニマイクをつけて試してみた。が、音質は全然ダメだった

スマホで短動画を撮る方法は便利で楽なのでおすすめなのだが、個人的には、今の古いスマホを買い換えてからにしようと思っている。