ランニングと認識

Light through the window
RICOH GR1s w/GR Lense 28mm 2.8, 100TMX

昨夏は冷房を使った弛緩した生活を送っていたせいか、自律神経失調症からはじまってかなり体調を崩したので、晩夏にそれを反省し、体調を整えるために9月19日から(ほぼ)毎日ランニングを始めた。これまでの5ヶ月近く、インフルエンザや胃腸炎での休止(9日間)を除くと1週間程度しか休んでいない。我ながらよくやると思うが、体調不良で家族に迷惑をかけたことがやはり大きい。あんなのは二度とゴメンだ、というわけだ。おかげで最初は4、5kmを30分くらいでやっとこさ走っていたのが、最近では1km5分強のペースで8kmくらいは走れるようになった(まあしかし、いまだその程度ではあるけれども)。さすがに毎日8kmを走ると足に疲れが残っている気がするが、翌日になればなんとかなるものである。ちなみにこの「1km何分」という捉え方がランナーの速度認識の標準パターンである。自分が特定の認識パターンを使用すること(それを語り、利用すること)で、個々の行為とその連関が新たに組織化されていくという過程が生じることや、他のランナーの速さが実感として分かる過程が生じることが、実はけっこう面白い。

Zeiss Ikonの調整

Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Biogon 28mm 2.8 ZM, 400TMY-2
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Biogon 28mm 2.8 ZM, 400TMY-2

Zeiss Ikonの修理というか、距離計調整が終わって、手元に戻ってきた。思ったより時間がかかった(3週間くらい)が、戻ってきてホッとした。こいつがないと何か落ち着かない。それにしても、距離計調整・フランジバック調整・各部点検などという作業なのに、送料込み4200円というのはけっこう安いような気がする。儲けは出さずに純粋にサービスという位置づけなんだろうけど、コシナ、やるなあ。

温度計

Bronica EC w/Nikkor-O・C 50mm 2.8, 100TMX
Bronica EC w/Nikkor-O・C 50mm 2.8, 100TMX

久しぶりに現像をしたら、どうやら温度計が壊れていたようで、わずかに高い温度で現像してしまった様子。ネガはそう悪くはなさそうだけれども、いつもの感触とは違うので、ちょっと凹む。ネガがキリッとしていないと、やはりどうにもならない。油断したなあ。もっとも、暗室に5本ほどある温度計を、全部一度に比べてみたら、同じ液体につけているのにどれも少しずつ違う温度を指していた(笑)これから暗室には私物の温度計を持っていこうかな。

テーマと方法

MGR
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Biogon 28mm 2.8 ZM, 400TMY-2

現在、アクタ西宮の西宮市北口ギャラリーで開催されている大学OBの写真展に数点出展させていただいている。最近わりと展示する機会が多い。そこで、どういう展示をしたいのか、ネガやベタ焼きを見ながらいろいろ考える。『ライカとモノクロの日々』の内田ユキオ氏はポートフォリオを見せてハービー山口氏にアドバイスを受けたことを書いているけれども、そこではひとつのテーマを決めてそれで撮っていくのがいいといわれたという。とはいえ、大事なのは、この「テーマ」というものを、どのように考えるかという、その方法の方だろう。いや、考えるというよりも感じるという方がしっくり来る、そういう意味での方法。仕事の合間にネガや試し焼きを眺めながら、そんなことをつらつら考える。

フラットニング

slow waves
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Biogon 28mm 2.8 ZM, 400TMY-2

以前は全紙のバライタを焼いても木製パネルに水張り(水に濡れた状態の印画紙をパネルに張って乾燥させることで平らにする工程)をしていたので、乾燥して丸まった印画紙のフラットニング(平らにする工程)に気を遣わなかったのだけれども、今回はバライタの四切を何枚かマットパネルで展示することにしたので、フラットニングに苦労している。カメラマンのHさんのアドヴァイスもあり、結局はズボンプレッサーを導入したのだが、まだ作業の途中。この間、生乾きでスケッチブックに挟んだら表面のゼラチンに紙の繊維が付着してしまったのでもう一度水洗したり、水洗後にガラスの上においてスポンジで余分な水分をぬぐって乾燥時の丸まりをおさえたりと、いろいろ試行錯誤した。今回あえてこういう面倒くさいことをしているのは、ここしばらく「展示性(exhibitionality)」に関する論文を読んだり、それについて考えていたので、展示に向かういくつかの工程を踏んでいる自分を観察するためでもある。

組み合わせ

an escalator
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Planar 50mm 2.0, 400TMY-2

久しぶりに暗室でプリントをした。昔使ったことがあるものの普段は使ってこなかった印画紙と、これまで使ったことのない印画紙の両方を、これまで使ったことのないプリント用現像液で試してみた。同じ会社の印画紙で、同じマルチグレードなのに、階調の出方に違いがあって面白かった。一方は焼き方に多少工夫が必要だが、そっちの方がタッチは気に入っている。これまで印画紙を細かく比較することもなかったし、それを意識して使うこともなかったので、しばらくはこういう感じでいろいろ試してみようかとも。次は現像液を替えてみるとか。どんどん印画紙がなくなる時代だけれども、比較的残りそうなもののなかで、ひとつ基準を作っておくのがいいかもしれないと思っている。

現像

leaves
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Planar 50mm 2.0, 400TMY-2

久しぶりにモノクロフィルムの現像をした。定着から予備水洗に移るときに、タンクからリールを取り出して画像が抜けているかどうか確認する瞬間が楽しい。自家現像はこのときのためにしている気さえする。最近はわりと好みのトーンが得られるようになってきた。思い込みかもしれないけれども、思い込みはとても大事。そしてまたしばらくして反省するのだ。

1周年

Mitsui Outlet Kobe
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Biogon 28mm 2.8 ZM, 400TMY-2

熊本から関西に移ってちょうど1年になる。といっても、残念ながら感慨にふける時間などなく、年度末なので各種研究経費の決算書類の作成などに追われている。職場が換わると書類も作法も換わるので、それに慣れるのが一苦労。以前の職場であれば、他のことを考えながら作業できていたことを、いちいち意識しないとできないのがちょっと大変。

加えて、来月半ばに開催する写真展の準備にも追われている。4月16日から20日まで、大学図書館のエントランスホールで「雲南の現在」という写真展を行うことになった。メインの写真は全紙(カラー)で18枚なのだが、それに雲南調査の説明を書き足したり、説明のための六切り用の写真を選んだりと、細かい作業が結構ある。今日は施設課の方に展示の土台にするパネルを見せてもらった。あまりに愛想がないパネルなので(笑)、暗幕か何かで覆わないといけないかもしれない。となると3時間で設営可能かどうか、ちょっと不安。それに全紙のマットパネルがまだ全部は届いていない。これも間に合うかどうか不安だなあ(笑)。

依存症対策事業が終わる

Kokura Castle B&W
Zeiss Ikon w/Carl Zeiss Biogon 28mm 2.8 ZM, 400TMY-2

3年間にわたる、といっても実質的には2年半ほどだが、地域依存症対策推進モデル事業がこの3月で終わる。地域依存症対策推進モデル事業とは厚労省が全国15カ所で進めた事業。都道府県や政令指定都市などが対象として選ばれ、2011年度までの3年間にわたって当該地域で依存症対策事業を行う予算をつけてくれるというもの。他の大きな事業に比べるとほんのわずかな予算でしかないが、これまでそのようなことが行われてこなかったことからすれば、画期的だったのかもしれない。九州のある都市の事業検討委員をやっていた僕もこの事業が終わったことで、3月初旬にあった委員会を最後に、今後は定期的に九州に行く用事がなくなった。2年間あまり一緒に議論した人たちともう会えなくなるのはとても残念だが、しかし遠いために帰りがいつも夜中だったので、その意味ではほんの少しホッとしている。

委員会では、精神保健福祉センターの職員の人たちやセルフヘルプグループの人たち、社会福祉にかかわる行政の人たちと一緒に、依存症対策のさまざまな局面について議論したが、何より感じ入ったのは、福祉行政にかかわる人たちの熱心さだった。ある人は、おそらくそこまでやれと言われているわけではないと思うのだが、アルコールに関するトラブルなどを抱えている人を関係機関につなごうと勤務時間などに関係なくいろいろと努力していた。こういう人がいるから地域行政が回ってるんだろうと思ったのだった。

僕も委員会では何度か、ハームリダクションに関連する施策についての話や、そのような施策との関係で現状をどう評価するかといった話をしたものの、あまりに状況などが違いすぎるために直接的に何かを事業化できたわけではない。そもそも僕自身、ハームリダクションを調べてはいるけれども、それを推進する立場というわけでもないし。ただ、熱心な人たちに刺激されて、こういうのがあってもいいなあという幾つかのアイデアと宿題はもらった気がするので、機会があったらそれを形にしてみようかとも思っている。オランダでもらった材料を使って。

委員会では、全員で一度は食事をしたものの、飲み会はしたことがなかった。機会があったら一度ゆっくり飲みたかったなあ、もちろん断酒会の方もいたのでそれは無理だと分かっていたけれども。それが最大の心残りかもしれない(笑)。

レンズ修理

A cat taken by the owner with Summar 5cm F2.0
Canon VL2 w/Leitz Summar 5cm 2.0, 400TMY-2

ずいぶん久しぶりのエントリー。まるで季刊のよう(笑)。最近はFacebookを使うことが多いので、どうしてもエントリーが滞りがちになる。決して止めたわけではないのだけれども、現像が追いついていないせいもある。読んでいただいている方(がいるかどうか、よく分からないけれども)、すみません。

先日、学会の仕事で東京日帰り出張があった。不景気のせいか、あるいは関西にいるために東京でも福岡でもなんとか日帰りできるせいか、最近は日帰り出張が多いのだが、家に帰り着くのが夜中の12時になるので宿泊代くらい出して欲しい…って、それはともかく。その日は会議より1時間ほど早く東京に到着したので、北新宿にある「山崎光学写真レンズ研究所」に寄ってきた。一部では有名な「山崎磨き」のレンズ修理工房である。

で、何をしに行ったのかというか、レンズを研磨してもらいに行ったのだ。ずいぶん前に安く手に入れた、拭き傷が多く状態の悪いレンズがあり、というか、手元に3本あるライカのレンズの中で、状態が非常に良かったのはズマロン(Summaron)35mm 3.5だけで、ズミタール(Summitar)5cm 2.0は格安だったせいもあって鏡胴内の反射防止塗装が剥がれたので(笑)、熊本在住時代に「ひさなが光機」さんに修理していただいた(それ以外にも「ひさなが光機」さんにはずいぶんお世話になった)。状態の悪いもう1本のライカ・レンズはズマール(Summar)5cm 2.0というもので、1930年代に作られたレンズ。古いせいもあり、また使用しているガラスが柔らかいものらしく、拭き傷で前玉の表面が真っ白だった。そこで撮影するときには露出を+0.5〜1くらい補正して撮ってみるのだが、できあがった写真を見てみると、ハイライト部分で光がにじみすぎて、あえて良く言えばソフトフォーカスのような、しかし実質的には使えないレンズだった。もう少しにじみが少なければ面白かったのだが、露出や晴れ切りを工夫してもこればかりは回復しない。上の写真は、ずいぶん前にズマールを使って撮ったもの。他にも、展示の機会に大きく焼いてみたいものもあったし、焼き方によっては面白くならないこともなかったのだが、さすがに躊躇してズマールの画はテストくらいしか焼かなかった。

中古で売れるようなものでもないので、以来ずっと保管したままだったのだが、今回はついでもあり、思い切ってレンズ磨きで有名な「山崎光学写真レンズ研究所」にうかがって研磨をお願いしてきたのである。山崎さんはもう結構なご高齢だと思うのだが、ズマールをお見せすると、これまで磨いたズマールでの作例を見せてくださり、いろいろとお話をしてくださった。キャノンの古いレンジファインダーを使っている話をすると「私もCanon Pというのをもっていますよ、いいですよ」とおっしゃっていた。中判も使うという話をしたところ、ブロニカのS2やEC用のニッコールを磨きに出される人がいるということも教えてくださった(私も中判ニッコールのためにブロニカを使っている(た))。もう少し他のレンズの話も聞きたかったが、あまり話し込むと仕事のお邪魔だと思い、ある程度で切り上げてきた。短いながらも、とても楽しい時間を過ごさせていただいた。ズマールが仕上がって(4週間ほどかかると言われた)もしいい画が撮れたら、焼いて送って欲しいとおっしゃっていたので、手元に戻ってきたらしばらく撮ってみようと思っている。

楽しみだ。