KMZ Jupiter-8 50mm F2 いわゆるロシアンレンズの歴史はドイツの東西分割とその状況への適応の物語として興味深い。Jupiter-8は戦前ツァイスのゾナー50mm2.0というレンズを始祖とする東側のコピーと言われてはいるが、コピーというより適応である。西側のゾナーは材料の工夫で球面収差を補正したものの、東側のジュピターはそのまま収差が残り(もしくは収差を残し)、戦前の柔らかい描写のままという。実際、独特の色味と柔らかさがある。このレンズはLマウントで確かウクライナから中古で買った。一体どういう人が使っていたのだろうか。
