昆明にて(6)

Nikon D800E w/AF-S Nikkor 50mm 1.8G
Nikon D800E w/AF-S Nikkor 50mm 1.8G

司馬遼太郎の『街道をゆく』に「中国・蜀と雲南のみち」という一冊があり、昆明やイ族のことが書かれている(ちなみに蜀とは四川のこと)。参考になるとは思わなかったけれども、これも縁と思って行きしなに読んだところ、何故か関川夏央を読みたくなり、帰国後に買って読んだ。すると今度は夏目漱石を読みたくなって、青空文庫で『永日小品』を読んだ。『永日小品』最後の一篇「クレイグ先生」を読んでいたら、急に小島信夫の「返信」が読みたくなって本棚を探したのだが、どうも見つからない。今回のリレーはここで終わりだと思うのだけれども、きちんと終わらないと、どうにも落ち着かない。…と思い、翌日オフィスで探したら見つかった。無事終了。

Uncommon Places The Complete Works

A Swmming Pool 2
Panasonic GX1 w/Lumix-G 14mm 2.5

前回の続き。手元にある『Uncommon Places』は正確には『Uncommon Places The Complete Works』となっているのだけれども、じつはこれ、Complete Worksではない。スティーブン・ショア自身もインタビューでそう答えているようだし、じっさい、たとえばけっこう有名な、ラスベガスのカジノを写した『Golden Nugget, Las Vegas, Nevada, June 27, 1978』が入っていない。この写真が好きで本の中に探したのだけれども、見つけられず、ちょっと残念。しかしそれでもこの写真集はやはりとてもいいと思う。

Uncommon Places

a swmming pool
Panasonic GX1 w/Lumix-G 14mm 2.5

スティーブン・ショアの『Uncommon Places』が好きで良く眺める。ショアと言えばカラー写真という感じがするし、もちろん『Uncommon Places』もそういう写真集だけれども、彼は10歳にならない頃から自分でモノクロ現像を始めていた、カメラ少年ならぬ現像少年だったという。

『社会学の技法』

waterdrop
PENTAX 645N w/SMC PENTAX-A 645 MACRO 120mm 4.0, PORTRA 160

訳者の先生から『社会学の技法』をいただいた。原著は持っているものの、ほとんど積ん読状態であったので、とても嬉しい。まだ途中だけれども、できたら試験期間中に読み終えたい。そういえば、これと対をなしているWriting for Social Scientistsという本は、講談社学術文庫の翻訳(『論文の技法』)が絶版になってしまっていたのだが、別の訳者で翻訳が新しくでているようだ。実はベッカーは、写真と社会学がほぼ同じ頃に生まれた社会探究の二つの方法だということを論じたりもしている。

開いている本を閉じられない

Sannomiya
Bronica RF645 w/RF45mm 4.0, PRO800

あと二週間ほどで試験期間に入るため、授業もそろそろ一段落。あっという間の3ヶ月間だった。しかしこの時間の体感速度を考えると、頼まれているアレやコレやソレなど、そろそろ本腰をいれないとまずいように思うのだが、開いている本を閉じられない。身体が抵抗する。そして読み終わるとついついまた本屋に寄ってしまうのだった。

満員電車と会議に比べたら

Bronica RF645 w/RF65mm 4.0, 100TMX

ある走ることに関するエッセイを読んでいたら「今日は走りたくないなあ」と思うときのことを、こう書いてあった。

「満員電車と会議の光景を思い浮かべると、僕はもう一度自らの士気を鼓舞し、ランニング・シューズの紐を結び直し、比較的すんなりと走り出すことができる」

そうかも。

一年ぶりに本が

研究室に増設用本棚も届き、新しいMacも届いて、ようやく落ち着いてきた。まだすべての本を片付け終えたわけではないけれども、必要なものを見つけるのに段ボールをいくつも開ける必要がなくなったのはとても嬉しい。このように使いやすい状態になったのは、よく考えてみれば一年ぶり。昨年度は前の職場で耐震改装の引っ越し(春)があり、戻り(秋)があるのが分かっていたのでその間はできるだけ箱を開けないようにしていた。おかげで原稿などを頼まれると非常に苦労した(あんまり書いてないけど)。せっかく本を箱詰めしたこの機会にと応募した新しい職場への異動(転職)が決まると、今度はその引っ越し(春)のことを考えて、改装後に戻った研究室でもなるべく箱を開けないようにしていた。おかげでまたもや原稿には苦労した(やっぱりあんまり書いてないけど)。ようやくそのような生活から解放されつつある。となると、気分的にも落ち着いてくる。とはいえ、まだ20箱くらい開けていないけれども。

気分的に落ち着いてくると、新しい環境の良さもいろいろ見えてくる。先日、ぽっかり数時間空いたので、大阪ニコンプラザで開かれていた写真展に行ってきた。その後はスケジュールが詰まっていて、その機会を逃すと行けなくなるだろうと思ったので。都会に移ってきたためにこういうことができるのは嬉しい。おかげで手元の写真集でしかみたことのなかった森山大道の『大阪』の写真をいくつか見ることができた。やはり大きく焼かれたものはいい。写真集に比べて中間調のグレーが綺麗だった。井上青龍の『釜が崎』の写真も初めて見た。

都会に移ってきてもう一つ嬉しいのは、帰りに本屋に寄ることができること。いつも寄るというわけではないけれども、気が向くとちょっと寄れるというのがいい。もちろん熊本でも街まで行けば大きな本屋はあるのだけれども、わざわざ行くというのと、ちょっと寄れるというのはずいぶん違う。しかも僕の乗換駅の本屋は非常に大きくて、棚の間を流しているだけで楽しくなる。おかげで前から気になっていた写真集などを見つけ、ついつい買ってしまうのだった。

RICOH GR1s w/GR Lense 28mm 2.8, 400TMY-2